Polkadot
Kusama
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Polkadot Deep Dive

Q3 2022

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はじめてのインタラクティブ Polkadot と Kusama のエコシステムマップ

Polkadotとは何ですか?2022年第3四半期、 大手メディアポッドキャスト金融アドバイスプラットフォームはこれと同じ質問を投げかけていました。Nominated Proof-of-Stake コンセンサスを備えたレイヤー0のシャードプロトコル設計は、PolkadotとKusamaがブロックチェーンのトリレンマを解決できることを意味します。システムは安全でスケーラブル、高度に分散されており、多数のパラチェーン(レイヤー1のブロックチェーン)と分散アプリ(DApps)が不具合なく実行できるようにするのです。

拡大を続けるPolkadotとKusamaのエコシステムの全体像を提供するため、SubWalletはParity Technologiesと提携し、このPolkadot Deep Diveレポートシリーズとともに、25カテゴリーにわたる500以上のプロジェクトを網羅した初のインタラクティブなPolkadotとKusamaエコシステムマップを構築しました。DeFi、SocialFi、アイデンティティ、NFT マーケットプレイス、メタバース、ゲーミング、DAOからブリッジ、インフラ、スマートコントラクト、ツーリング、データおよびプライバシーソリューションまで、2022年第3四半期、PolkadotとKusamaのエコシステムは活動でにぎわい、期待で満ちていました。

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エコシステムの概要

財務状況・開発活動

クリプトの冬は2022年第3四半期まで続きましたが、DOTは正しいスタートを切りました。7月1日のオープン価格$7.05で、DOTは大きく上昇し続け、8月13日に$9.66でピークを迎え、時価総額は$10.28Bとなりました。しかし、年初来を拡大すると、第3四半期は過去2四半期に比べて低調であることがわかります。9月21日、DOTは$6.00、時価総額$6.89Bと、年初に比べ75.60%も下落しました。

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トークン価格と開発状況の比較

8月10日に時価総額$10.51Bに急増したことで、Polkadotは時価総額ランキングでDogecoinを上回ったが、第3四半期後半のこの急降下でPolkadotは再びDogecoinに順位を奪われ、現在時価総額ランキングは11位です。

KSMは7月22日に$69.60でDOTより早くピークを迎えましたが、その後急落し、9月19日には$37.77まで下がり、時価総額は$339.65Mとなりました。ここでも、KSMの価格と時価総額のパターンは、DOTと比較的似ています。

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開発活動の比較

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30日以内の開発活動量上位10ネットワーク

# プロジェクト 開発活動
1
DOTPolkadot DOT
494.93
2
KSMKusama KSM
494.93
3
ADACardano ADA
429.23
4
ETHEtherum ETH
386.47
5
SNTStatus SNT
347.87
6
FILFilecoin FIL
314
7
MIOTAIOTA MIOTA
301.33
8
ATOMCosmos ATOM
300.5
9
MANADecentraland MANA
295.7
10
VEGAVega Protocol VEGA
286.57

トークン価格が下がり続ける一方で、Polkadotの 開発活動は急増しています。Satimentは、プロジェクトが公開Githubリポジトリで生成した、コミットのプッシュ、プルリクエストの作成とマージ、新しいバージョンのリリースといった構築関連のイベントの数によって、開発活動を測定しています。Polkadotの開発活動は、第3四半期では第2四半期や第1四半期と比べて著しく一貫して高く、特に9月に顕著であったことが容易に見て取れます。PolkadotはEthereum、Solana、Near、Polygonを簡単に上回り、ほとんどの時間Cardanoに次ぐ2位となりました。

Polkadotの全体的な開発活動はCardanoより低いとはいえ、そのパターンはより一貫していました。9月01日から9月20日まで、PolkadotはCardanoの支配を引き継ぎました。9月中、Santimentの30日間開発アクティビティランキングで、PolkadotとKusamaの粘り強いリードが見られたのはこのためです。

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分散化とセキュリティ

Ultimate Moneyが7月25日に発表した主要ネットワークの分散化状況を探るレポート では、Polkadotのナカモト係数が調査対象のレイヤー1の係数を大きく上回り、SolanaやAvalancheの3倍、CosmosやNear、BSCの12倍近くであったことが明らかになりました。元Coinbase CTOのBalaji S. Srinivasanが 2017年に作った造語で、ビットコインの創業者であるサトシ・ナカモトにちなんで命名されたナカモト係数とは、ジニ係数ローレンツ曲線を組み合わせて、ネットワークを混乱させるのに必要な最小の閾値を測定するもので、数値が高いほど分散化のレベルが高いことを示します。
Polkadotのバリデーター数は297人で、SolanaとAvalancheのバリデーター数の15.84%と22.90%に過ぎませんが、シャードデザインとノミネーションプルーフオブステークの合意メカニズムにより、より良いステーク分配が可能になり、分散化レベルが向上しています。現在、ノミネーションプールはWestendとKusamaで稼働しており、Polkadotにもまもなく導入されます。報酬を得るための最低ステークが引き下げられ、より多くのトークン所有者が参加できるようになるため、ネットワークはさらに分散化されるでしょう。ブロックチェーンとのやりとりは、Substrate Connectを介したライトクライアント統合のおかげで、分散化され、信頼が最小化された方法で行われる可能性が高いです。
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主要ネットワークのナカモト係数

従来は、技術的な課題やリソースの消費を理由にフルノードを実行しない場合、ブロックチェーンと便利にやり取りするためにサードパーティの所有するノードに頼らざるを得ず、集中型の単一障害点となる可能性がありました。ライトクライアントはこれら両方の問題を解決します。一方は、チェーン全体ではなくブロックヘッダーのみをダウンロードすることでリソースを大幅に削減し、他方は、フルノードが提供するレスポンスがヘッダーと一致するかどうかを検証するため、ノードを信用する必要がありません。
本稿執筆時点で、SubWallet、Polkadot {.js}、Nova WalletといったPolkadotおよびKusamaエコシステムのトップウォレットは、分散化の精神に則り、ユーザーにスムーズな体験を提供するためにライトクライアントを統合しています。SubWalletとNova Walletは、8月の事件後、エンドユーザーのセキュリティをさらに高めるために、コールドウォレットのLedgerとQRシグナ―のParity SignerとStyloのサポートも拡張しました。8月1日のNomad bridge hackと8月14日のAcala erroneous aUSD mintingによる深刻な課題にもかかわらず、Polkadot シェアードセキュリティは強固に保たれたのです。
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主要なプルーフ・オフ・テイク・ネットワークの電力消費量

  ノード数
[# total]
トランザクション数
[Tx/年]
総電力消費量
[kWh/年]
ノードあたりの電力量
[kWh/年]
トランザクションあたりの電力量
[Wh/Tx]
総炭素排出量
[tCO2e/年]
ADACardano
3,002 11.9 mn 598,755 199.45 51.59 284.41
DOTPolkadot
297 4.0 mn 70,237 236.49 17.42 33.36
SolSolana
1,015 11.8 bn 1,967,930 1,938.85 0.166 934.77
TezosTezos
375 2.5 mn 113,249 250.99 41.45 53.79
AvalancheAvalanche
1,084 93.9 mn 489,311 451.39 4.76 232.42
AlgorandAlgorand
1,190 190.0 mn 512,671 430.82 2.70 245.52

BitcoinやEthereum 1.0などのプルーフ・オブ・ワーク・チェーンのように、分散型ネットワークであればあるほど、ネットワークが消費する電力は多くなると考える人がいるかもしれません。しかし、プルーフ・オブ・ステーク・システムの場合はそうとは限りません。2022年1月に発表されたCCRIのエネルギー効率報告書によると、Polkadotは年間の電力消費量が最も少なく、結果として年間の二酸化炭素排出量も最も少なくなっています。この結果はトランザクションの総量とは関係なく、総電力消費量を求めるために、CCRIチームはまずハードウェア要件に基づいて各ネットワークのノードあたりの平均エネルギー消費量を算出し、その後に総ノード数を乗算しているのです。調査対象となった6つのブロックチェーンのうち、Polkadotはノード数が最も少なく、ノードあたりの電力消費量も2番目に少ないため、最も環境に優しいブロックチェーンとなりました。

トークン・ホルダーと投資家

9月28日、DOTの保有者数が100万人を突破しました。しかし、市場の低迷はまだその影響を残しています。2022年第3四半期の1日平均の新規保有者数は1695人で、第2四半期(2135人)に比べ20.61%、第1四半期(3060人)に比べ44.61%減少しました。9月30日には、1日の新規保有者数が824人となり、今年初めて1000人を割り込みました。価格や時価総額と同様に、KSMのホルダーパターンもDOTのそれと似ています。

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PolkadotとKusamaアカウント概要

10月5日までに、最大のDOTクジラは58.61M DOT、約$374.80Mを保有し、その47.46%がステークされました。KSMクジラはもっと控えめで、最大のものは492,990KSM、約$21.12Mしか持っていません。

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PolkadotとKusamaエコシステムに投資するVC

投資家に関しては、400以上のベンチャーキャピタルがPolkadotとKusamaのエコシステムに投資し、リレーチェーン、パラチェーン、DAppsからのトークンを保有しています。DFGとAU21は明らかにこのエコシステムの最も熱心な信者であり、それぞれ45と40のプロジェクトをポートフォリオに抱えています。NGC Ventures、Hypersphere、Illusionist Group、CMS Holdingsはいずれも30以上のプロジェクトに投資しています。

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Parachain

2022年第3四半期は、9月30日にOAK Networkが落札し、Polkadotの28番目のパラチェーンとなり、幕を閉じました。Kusamaでは、合計54件のオークションが行われ、41件のパラチェーンが誕生しました。Kusamaでは、Polkadotに先行してXCM(コンセンサスシステム間のコミュニケーションを可能にするメッセージングフォーマット)が開始されたため、Kusamaの24チェーンが互いにXCMチャンネルを開設し、PolkadotのXCM転送を可能にしたチェーンの2倍の数が開設されています。

2022年第3四半期にPolkadotとKusama パラチェーンのトップのXCM転送

XCMの転送量では、上位6位までが3組の姉妹ネットワークに属してます。Moonbeam/Moonriver、Acala/Karura、Parallel/Heikoの3組が上位6位を占めました。9月の1週間で、$1M相当の資産を送金してトップに立ったものの、長期的に見ると、Parallelは他のビッグ6に遅れをとっているように見えます。その中で、Moonbeamは第3四半期に最も活発で、合計19,160件の取引で$56.88Mの送金額を蓄積し、10,319件の取引で$39.68Mの送金額を蓄積しました。また、同ネットワークは9月8日に1,000万件の取引を記録し、その4日後にはユニークアドレスが30万を突破しました。

Acalaは、$21.89Mの送金額と$27.05Mの送金額で2位となりました。明らかに、8月の事件によって1ヶ月間ネットワーク上の活動が停止したことは、3ヶ月間を通じて大きな影響を与えませんでした。10月5日、Acalaはすべての機能を正式に再開し、第4四半期には目覚しい復活を遂げることを約束した。

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ガバナンス・助成金

ガバナンス2.0の導入に続き Polkadot Deep Dive 2022年上半期 で取り上げた「ガバナンス2.0」の導入を受け Gavin Woodは、「Polkadot Fellowship Manifesto」の第一稿を発表しましたPolkadot Fellowship Manifestoの最初のドラフトを9月26日に発表しました。「コア開発者とプロトコル技術専門家」にメンバーへの応募を呼びかけました。ガバナンス2.0において、Polkadot Fellowshipは、現在の技術委員会に代わり、ガバナンスシステムへの技術的助言、コアプロトコルの維持・構築、Polkadot技術・思想の教育普及の3つを主な責務とします。Fellowshipがネットワークの政治的分散化を進めるために存在することを保証するために、コミュニティの意思に反する意思決定権限はこの専門家集団には与えられません。

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DOTのトレジャリー活動

は、現在の技術委員会に代わり、ガバナンスシステムへの技術的助言、コアプロトコルの維持・構築、Polkadot技術・思想の教育普及の3つを主な責務とします。Fellowshipがネットワークの政治的分散化を進めるために存在することを保証するために、コミュニティの意思に反する意思決定権限はこの専門家集団には与えられません。Polkadot Forumは、Polkadotのあらゆる事柄について建設的な会話を行うために新たに導入されたプラットフォームで、財務ガバナンスと支出のプロセスを改善する方法について議論が続けられています。

Web3 Foundation の助成金(カテゴリー別

DOTやKSMのトレジャリー以外にも、Substrateを使った開発を考えているプロジェクトチームは、Web3 Foundation 助成金プログラムに申請することができます。7月28日、Web3 Foundation チームは、次のように発表しました1054件の申請のうち、415件が採択され、プロジェクト数が400件を突破したことを発表しました。助成対象プロジェクトの41.5%はランタイムモジュールとチェーンで、このカテゴリが助成対象プロジェクトの中で最も多くなっています。次いで、UI開発、開発ツールがそれぞれ13.2%、11.1%となっています。

DeFi エコノミー

分散型金融の略で、DeFiはPolkadotやKusamaエコシステムのプロジェクト数が最も多く、最も活気のあるセグメントであることは間違いありません。パラチェーンでの市場シェアは、Moonriver、Moonbeam、Acala、Parallel、Astar、Karuraなど主要ネットワークでほぼ二分されていました。Moonbeam/Moonriverの姉妹ネットワークを合わせたTVLは$126.25Mで、総TVLの44.7%を占め、22%であるAcalaとKaruraの2倍以上ありました。全体として、チェーン間の差は大きくなく、つまり、上位5位までの順位はいつでも変動する可能性があるということです。
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チェーン別TVL

前回の Polkadot Deep Diveレポートでは、DeFiプロジェクトをレイヤーごとに分け、パラチェーンとDAppを分けました。今回は趣向を変えて、レイヤーに関係なくDeFiプロダクトを掘り下げて、より客観的な比較をしています。主なプロダクト分析は、DEX(AMM)、レンディング & ボロウイング(マネーマーケット)、リキッドステーキング、ステーブルコインの4つです。なお、1ヶ月の活動休止のため、Acalaはこのセクションから除外しています。
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DEX (AMM)

ここでは、PolkadotとKusama上の13の分散型取引所(AMM=自動売買マーケットメーカー)について、ネイティブチェーンとマルチチェーンの両方を調査しています。視覚化しやすいように、第3四半期の平均トータルバリューロック(TVL)が$10M以上のものと、$5M以下のものに分けています。

興味深いことに、第3四半期のDEX上位5位は、すべてパラチェーンの製品ではなくDAppの製品でした。Astar NetworkのDEXはZenlinkとの競合を差し置いてArthSwapが 引き続き1位であり、Moonriver NetworkからはSolarbeamが唯一チャートに代表として入っています。Moonbeam NetworkのネイティブDEX StellaSwapやマルチチェーンDEX Curve Financeと比較すると、この3案件は調査期間中にあまり変動がありませんでした。

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平均TVLが$10M以上のDEX

8月1日から8月2日の1日で、StellaSwapのTVLは$31.56Mから$11.21Mに急落し、3分の1になりました。その後、StellaSwapのTVLは$8.75M前後で推移し、8月12日に$13.46Mでピークを迎え、9月6日に$6.60Mで底を打ちました。どうやらこの不幸な事件により、StellaSwapは8月中旬以降、それまで無敵だった1位から5位へと大きく引き下げられたようです。再建プロセスの一環として、チームは6ヶ月間の戦略的ファームのインセンティブとして、レベル3のMoonbeamエコシステム助成金の提案(総額783万3600GLMR($3.89M))を提出し、10月9日のコミュニティ投票で可決されました

Curve FinanceはStellaSwapとしてMoonbeamでも運営されていますが、Lidoのリキッドステーキングアセットプール(xcDOT/stDOT)ほどラップアセットに依存しないため、Nomadブリッジハッキングの影響を受けませんでした。実際、マルチチェーンDEXはこの機会を利用して、7月11日から18日までの1週間でTVLを$4.78Mから$9.24Mへと一気に倍増させたのです。Curve Financeは8月9日からTVLレースを常にリードし、第3四半期末にはTVLが四半期のはじめと比較して499%に成長しました。

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平均TVLが$5M以下のDEX

TVLランキングでは、Beamswapは首位の座を長く維持することができず、TVLが急落したため、7月前半でMoonbeamのKaruraとBeefyに譲らざるを得ませんでした。発表後BeamswapのDEX TVLは、$3.59Mから$6.51Mへと1日でほぼ倍増し、わずか3日後には$4.08Mまで急降下したのでした。

Beamswapと同様、MoonbeamのBeefyのTVLも8月1日の$3.99Mから8月2日の$2.57Mまで35.59%の大幅減となりましたが、これはNomad事件後のパニック撤退が原因だと思われます。妹分のMoonriverのBeefyは第3四半期にTVLがあまり変動しなかったが、MoonriverのBeefyのTVLは8月29日の$203Mから9月6日の$524Mまで8日間で258.13%上昇し、残りの期間も比較的安定して上位を占めていました。

BeamswapとMoonriverのBeefyが第3四半期の前半と後半を支配したとすれば、Avault Financeは中盤の3分の1の主役だったでしょう。7月8日に$1.10Mという控えめなTVLでスタートしたAvaultは、徐々に上昇し、8月9日の$307Mから8月11日の$610Mまで、2日間で約2倍の目覚ましい増加を確保しました。今期末には3つのDEXのTVLがほぼぶつかり合っただけに、2022年の終盤にこの3つのDEXの競争がどのように展開されるのかが注目されます。

レンディング & ボロウイング(マネーマーケット)

当然のことながら、Moonwell ArtemisもStellaSwapと同じように被害を受け、TVLは8月1日の$103.04Mから8月4日の$22.20Mへと3日間で78.45%下落し、4プロジェクトのランキングで1位から3位に転落しました。プロトコルの再構築のため、Moonwell Artemisは4,166,400GLMR(約$2.08M)のMoonbeam Foundation 助成金を提案し、10月9日に承認されました

この事件により、Parallelは第3四半期の最後の2/3にレンディング競争の先頭に立ち、8月6日のピーク時にはTVLが$75Mを突破しました。グラフの一番下、Starlayは$13.18Mで四半期が始まって以来、TVLの47.79%を失っていました。

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レンディング & ボロウイング プロトコルのTVL

Liquid Staking

パラレルの主力商品はDEXではなく、レンディングと ボロウイング(マネーマーケット)とリキッドステーキングであったことがわかります。第3四半期を通じて、同社のリキッドステーキングのTVLは、8月9日に$13.35M、9月18日に$12.15Mと2度の下落を除き、$15M前後で比較的安定していました。2回目の下落後、ParallelのTVLは$12M前後で推移し、MoonbeamのLidoと収束しました。
Bifrostは今期、リキッドステーキングのインセンティブキャンペーンを倍増し、6月29日から7月13日までRainbow Boost 2.0、8月8日から8月23日までRainbow Boost 3.0を実施しましたが、第3四半期後半のMoonbeamのLidoに対抗するには十分とは言えませんでした。出遅れたにもかかわらず、MoonbeamのLidoは発売日の$5.69Mに対し、216.68%のTVL上昇で第3四半期を締めくくった。興味深いことに、BifrostのリキッドステーキングのTVLが最も急上昇したのはキャンペーン期間外で、7月21日の$5.76Mから7月23日の$9.51Mへと上昇したのです。
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リキッドステーキング プロトコルのTVL

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ステーブルコイン

今期の安定コインで最も素晴らしいニュースは、Kusamaで 静かに3.5M USDTまで供給量を増やした後、 3M USDTの初期供給量で PolkadotにTetherを立ち上げたことだろう。ローンチ直後、Astar NetworkはUSDTのXCM転送をオープンした最初のパラチェーンであり、Moonbeam NetworkはすぐにPolkadotネイティブUSDTをそのDAppで使用できるようにしてそれに続きました

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ステーブルコイン総発行量

Acalaの事件とは関係なく、KaruraでのaUSD発行額は$3.77M - $4.81M のレンジの外では変動していません。AstridDAOのステーブルコインBAIの流通は、逆に変動が大きいものでした。7月6日に5.75Mで四半期をスタートし、KaruraでのaUSD発行額の1.5倍となったが、BAIの流通量は徐々に減少し、7月26日に正式に競合他社を下回りました。3ヶ月の間に、BAIは時価総額の半分近くを失いました。Acalaが運用に戻り、USDCがPolkadotでローンチする計画を発表したように、2022年末にはネイティブステーブルコインの競争はこれまで以上に厳しくなると予想されます。
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Non-fungible token (NFT)

NFTマーケットプレイス

今期のNFT分野は、NFTマーケットプレイス、GameFi、メタバースプロジェクトと多岐に渡り、活況を呈しています。MoonbeamをベースとするNFTマーケットプレイス「Raresama」は、開設から1ヶ月で、取引高200万GLMR(約$927K)を突破し、記録を更新しました。Raresama以外にも、tofuNFTやMoonbeansなど、Moonbeam/Moonriverエコシステムの代表的な企業が目覚ましい販売量を記録しています。
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NFTマーケットプレイス日次ボリューム

第3四半期の93日間のうち、MoonbeamのtofuNFTの販売量が最も多かったのは58日で、63.37%を占めています。MoonbeamのtofuNFTで販売されたNFTの総額は$86,078で、MoonriverのMoonbeansの販売額($41,166)の2倍以上、Singularの販売額($22,115)の4倍近くを記録しています。
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GameFi

Moonbeam Networkで初めて完売したNFTコレクションGlimmerApesは、第2位のGLMR Jungleて販売量3万5千GLMRで、$14.8Kの大差をつけ第1位となりました。しかし、この2つのコレクションはGLMR Apes DAOが制作したもので、後者は、Moonbeam Network初のPlay-to-Earn Gameである「The Great Escape」の一部でもあります。GameFiプロジェクトは開始後1ヶ月で、210人のユニークプレイヤーによって約14,500ゲームがプレイされ、8,800GLMBがジャングルバンクに集められ、5,600GLMBがバーンされるという素晴らしいマイルストーンを達成したのです。名作CryptoPunksBored Ape Yacht Club がそれぞれ3位、4位となりました。

フィットネスとライフスタイルのGameFiアプリ「MoonFit」によるコレクション「MoonFit Beast and Beauty は、発売からわずか数カ月で5位にランクインしました。500台のNFTが完売 NFTが30分以内に完売し、評価額は39,500GLMR、2回目の販売では1500NFTが178,500GLMRとなりました。を評価額178,500GLMRで完売し、両ラウンドで合計218,000GLMRの一次市場販売量となりました。また、ホワイトリストのフリーミントコレクション「MoonFit Mint Pass」は、流通市場において11,478.18GLMRという驚くべき販売量を記録しています。

Moonbeam NetworkのNFTコレクション歴代トップ10

# コレクション ボリューム
1
GlimmerApes

GlimmerApes

111 所有者/ 1,001 アイテム

Moonbeam 128,353.37
2
GLMR Jungle

GLMR Jungle

520 所有者 / 3,333 アイテム

Moonbeam 93,229.1
3
Moonbeam Punks

Moonbeam Punks

1149 所有者/ 4,200 アイテム

Moonbeam 62,531.03
4
Moonbeam BAYC

Moonbeam BAYC

111 所有者/ 1,001 アイテム

Moonbeam 49,189.45
5
MoonFit Beast & Beauty

MoonFit Beast & Beauty

632 所有者/ 2,000 アイテム

Moonbeam 41,398.08
6
Ultimate Harvest Moon

Ultimate Harvest Moon

9,504 所有者/ 41,552 アイテム

Moonbeam 35,049.84
7
MOONPETS

MOONPETS

622 所有者/ 5,000 アイテム

Moonbeam 30,269.17
8
Moonbeam Ape Yatch Club

Moonbeam Ape Yatch Club

111 所有者/ 1,001 アイテム

Moonbeam 16,948
9
Bunch of Bananas

Bunch of Bananas

97 所有者/ 125 アイテム

Moonbeam 13,077
10
MoonFit Mint Pass

MoonFit Mint Pass

1,889 所有者/ 2,998 アイテム

Moonbeam 11,478.18
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メタバース

GameFiの他に、第3四半期に大きな期待を集めたNFT搭載部門はメタバースである。7月22日、Polkadotのメタバースパラチェーン Efinityは、スクウェア・エニックスと提携し、「ファイナルファンタジー」シリーズのNFTをリリースすると発表しました。 NFTは純粋なデジタルではなく、「ファイナルファンタジーVII」を題材にした物理的なアクションフィギュアやトレーディングカードと連動する予定です。
別の動きとして、Bit.Countryは6月30日にAlpha Testnetを立ち上げ、最初の2週間で約3000のメタバースプロジェクトと2MステークのAlphaNEERを集めました。9月13日には、Bit.Country Pioneerが1日前にKusamaの52番目のパラチェーン枠を自費で落札した後、Bit.Country Pioneer Appが公開されました

Bit.Country のパフォーマンス

カテゴリ
ローンチ後
1日 2日 3日 4日 5日 7日 現在までの総計
メタバースプロジェクト 29 45 66 89 117 136 210
NFTコレクション 80 117 164 218 282 322 503
NFTs ミント 920 933 1,050 - 1,598 1,848 2,801
NEER ステーク 3,005,944.98 2,340,936.68 3,591,736.88 3,561,266.38 3,532,112.38 3,603,074.88 4,364,764.61
BIT バーン - - 74,499.40 96,102.75 101,123.79 102,812.79 204,608.14

Alpha Testnetキャンペーンの成功は、Pioneer Appの雪だるま式効果を生み出しました。ローンチから9時間以内に1M NEERがステークされ、この数は初日終了時には3M以上に増加しました。最初の週の終わりまでに、136のメタバースプロジェクトと322のNFTコレクションが作成され、1,848のNFTがミントされ、3.6M NEER以上がステークされ、100K BIT以上がバーンされたのです。チームは引き続き「Raw Land Block Sale」イベントを開催し、オークションでは最大5,150 NEER (約$2,060)の金額を記録しました。

RMRKの上級メタバースプロジェクトSkybreachも記念すべきマイルストーンに到達しました。10月19日、Skybreachは14,905区画の累積土地販売量と1M xcRMRKを超えたと報告しました

DAO

ブロックチェーンが中央集権的な存在から脱却したことにより生まれた分散型自律組織(DAOs)は、トークン保有者の集団投票により意思決定プロセスが管理され、その活動がブロックチェーン上で全て公開される実体構造です。他のエコシステムと同様、DAOはPolkadotやKusamaにとって必要不可欠な存在です。
ChaosDAO

ChaosDAO

PolkadotとKusamaのエコシステムで最も初期に設立され、最も影響力のあるDAOの1つである ChaosDAOは、7月13日に 設立1周年を迎えました。ChaosDAOは、「量より質」を設立理念とし、「この分野で最も知識のある人々を集め、結びつける」という1つの目標に向かって、常に100%有機的に成長してきました。DAOは、会員アクセスおよびガバナンスのために、NFTコレクション Chaos-DAO Apesを備えています。10月24日までに、このコレクションはフロア価格109KSM、トップセール179KSMで、4K KSM近い取引量を記録しました。サーバーの管理人である23人のDAOistが現在ChaosDAOを運営しており、その中にはエコシステム内の著名なプロジェクトからのメンバーも含まれています。

Astar Degens

Astar Degens

Astar Degensは、その名前から想像できるように、Astarのエコシステムに重点を置いたコミュニティベースのVC DAOです。DAO評議会の10人のメンバーによって管理され、2022年9月末までに、Astar Degensは彼らのdApp Staking報酬で1M ASTR以上、tofuNFTのNFTロイヤリティとして200K ASTR以上を 受け取りました。DAOで議決権を得るには、Astar Degen ApesのNFTを1万枚中1枚以上所有する必要があります。この コレクションは10月24日に累積取引量9.6M ASTR、フロア価格1,800 ASTRを記録しています。

GLMR Apes

GLMR Apes

偶然にも、これまで取り上げた3つのDAOは、いずれも統治するNFTに猿のイメージを使っています。GameFiの項でも紹介した GLMR Apes1001アイテムを含むNFTコレクションは、Moonbeam Networkで初めて完売し、現在もセカンダリーマーケットで上位にランクインしています。Jungle Councilは10人のメンバーで構成され、半分はコアチーム、半分はWise Apesに分類されています。

Take Flight Alpha

Take Flight Alpha

2022年1月に設立された30人のメンバーからなる TFA DAOは、Moonbeam Networkのコレーターノードの運営と600人以上の参加者のコミュニティ構築に重点を置いています。彼らは現在、デリゲーターに29%のAPYを返す彼らのコレーターノードのために、約4.5M GLMRのステークドバリューを保持しています。2022年5月、TFA DAOは参加をゲーミフィケーションするため、5000のアイテムで構成される MooonPets NFTコレクションを導入しました。第3四半期では、MoonPets保有者の保持率は約60%と報告されています。

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Web3

ウォレット

Web3の議論は、非カストディアルウォレットなしでは不十分でしょう。Web2アプリへのGoogleやFacebookのサインインと同様に、Web3ウォレットは事実上、ユーザーがDAppsを介してWeb3の世界に足を踏み入れるためのゲートウェイであり、最初のタッチポイントとなります。PolkadotとKusamaのエコシステムでは、ウォレットはレガシーウォレット、マルチチェーンウォレット、ネイティブウォレットの3種類に分類されます。
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種類 レガシーウォレット マルチチェーンウォレット ネイティブウォレット
Polkadot {.js}, Fearless Wallet, Polkawallet Enkrypt, Math Wallet, Rabby SubWallet, Nova Wallet, Talisman
Substrate の互換性
EVM の互換性
ユーザーフレンドリーなUX/UI
Substrate固有の機能
比較表を見ると、特にユーザーフレンドリーなUX/UIや、クラウドローン表示、ステーキング、XCM送金、ライトクライアントといったSubstrate特有の機能において、ネイティブウォレットがレガシーウォレットとマルチチェーンウォレットの両方に勝っていることがよくわかります。したがって、PolkadotとKusamaのエコシステムにおけるウォレット競争は、主にSubWallet、Nova Wallet、Talismanの手に落ちているのです。Nova Walletはモバイルアプリケーションとして、Talismanはブラウザ拡張機能として動作していますが、SubWalletは ブラウザ拡張機能とモバイルアプリケーションの両方を起動した最初の企業です。

SocialFi

唯一の分散型ソーシャルメディアであるSubsocialは、第3四半期も発展を続け、3ヶ月の間に合計1,474件の投稿と395件のスペースが作成されました。10月25日までに、Subsocialアプリでは累積でほぼ25Kの投稿と10K以上のスペースが作成されました。ユーザーのインセンティブをさらに高め、Subsocial のエコシステムの有用性を拡大するために、チームは RMRK で 10,000 個の装備可能なロボットを含む NFT コレクションであるSpacers を発表しました。これらの NFT は VIP チケットとして機能し、Subsocial での無料のエネルギー、無料の .spacer Dotsama Domain、投稿の可視性向上などのプレミアム機能を利用できます。
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2022年第3四半期におけるサブソーシャルな日常活動

2022年第3四半期には、動画に特化したもう一つのSocialFiプラットフォームが登場しました。Joystreamです。各ビデオがNFTであるYoutubeのWeb3版と思われるJoystreamは、第3四半期にわずかな成長を記録した。ビデオの総数は7.70%増加したが、総ユーザー数は四半期開始時に比べて9.20%の増加にとどまりました。PolkadotやKusamaエコシステムのSocialFiセグメントのプロジェクトは、より積極的に活動を強化する必要があり、さもなければ他のエコシステムの競合他社に遅れをとることになるでしょう。
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Joystream の累積活動量 2022年第3四半期

ブリッジ

Web3ユニバースの急速な拡大により、異なるブロックチェーン間の通信や資産移動を可能にするブリッジの需要が急増しています。PolkadotとKusamaのエコシステムでは、XCMPプロトコルがXCM形式を介してレイヤー1チェーン間のシームレスな相互作用を可能にしますが、PolkadotまたはKusamaのパラチェーンが他のエコシステムに手を伸ばそうとする場合、現時点でもブリッジが必要とされます。以下は、PolkadotとKusamaのエコシステムで活発に運用されている著名なブリッジのリストです。すべての橋は双方向であることに注意してください。
Nomad
Celer cBridge
USDT/USDC/DAI/WBTC/WETH/BUSD/BNBなどのメインラップアセットのみ対象です。その他のトークンは、Moonbeam、Moonriver、Shiden、その他マルチチェーンがサポートする全てのチェーン間で転送可能です。
Multichain
Axelar
Wormhole
Interlay
Kintsugi
Snowfork
Helix Bridge

Closing Thoughts

10月22日、PolkadotとParityの共同設立者であるGavin Woodは、Parity TechnologiesのCEO職を退き、チーフアーキテクトの肩書きを持つことを発表しました。後任には、Parityの共同創業者で、これまでチーフ・コマーシャル・オフィサーを務めていたBjörn Wagnerが新CEOに就任しました。

この動きは、エンドユーザーをターゲットとしたエコシステムの開発と成長拡大に、より多くの注意が払われるようになり、Polkadotの成長方向が前向きで有望であることを示唆しています。今後数ヶ月の間に、SubWalletとエコシステムの他の主要プロジェクトが共催し、200人以上の開発者と投資家を集めたベトナム初の公式Polkadotミートアップ、DOTinVietnamのようなイベントが、世界中で、より大規模に行われる予定です。したがって、Polkadotの爆発的な普及は、時間の問題です。

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次回のレポートでも、プロジェクトの特徴をご紹介していきますので、ご期待ください。
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Aboutdotinsights - Polkadot & Kusama Ecosystem Map

dotinsights は、PolkadotとKusamaエコシステムのための主要な非カストディアルウォレットであるSubWalletによる研究に重点を置いたイニシアチブです。Parity Technologiesのサポートにより、データに基づいたPolkadot Deep Diveレポートと最も包括的で最新のPolkadot & Kusamaエコシステムマップを提供することで、dotinsightsのビジョンはPolkadotの公式かつ信頼できる情報と研究ハブになることです。

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